Park Residence

  • Program:住宅
  • Location:東京都
  • Completion:2022.11
  • Area:116 m²
  • Structural Engineer:円酒構造設計
  • Lighting Design:杉尾篤照明設計事務所
  • Construction:Double Box
  • Photography:Kakizoe Architects
  • *Project by Kakizoe Architects+ Frank la Rivière Architects inc

小さな町工場や狭い路地が密集する独特の都市風景が色濃く残る新御徒町の商業エリアに、夫婦のための4階建ての住宅を計画した。

2棟のビルに挟まれた極めて狭小な土地の奥には、幅1.5mの小道があり、古い木造住宅が立ち並んでいる。ここでは、日常の営みが静かに息づいており、小道の風景を表通りからも楽しめるよう地上階を南北に抜ける路地のような開放的な空間とした。

敷地面積はわずか30m²、幅3.7mという制約の中で、内部空間を最大限に活用するため、100mm×100mmの構造材を採用した。さらに、限られた建築面積を効率的に活用するため、各フロアをスプリットレベルで構成し、スケルトン階段で結ぶことで、居住空間に広がりと連続性をもたらしている。これにより、まるで大きな階段の踊り場が住居全体を形作っているかのような、豊かな空間体験が生まれる。

ファサードには、素地のリブ付きの押出成形セメント板を採用することで、波形鉄板を外壁材として使用する周辺の町工場のタイポロジーとの調和を図った。

建物の上階に向かうにつれて、よりプライベートな空間へと段階的に移行できるよう各フロアの照明器具の灯数と照度を調整した。緩やかな照度の変化が、居住者に安らぎと静寂をもたらし、寝室への自然な誘導を促している。