Residence in Ueda

  • Program:住宅
  • Location:長野県
  • Completion:2024.03
  • Area:118 m²
  • Structural Engineer:清水構造計画
  • Lighting Design:杉尾篤照明設計事務所
  • Construction:千広建設
  • Furniture:有賀建具店
  • Photography:永井杏奈

古くから城下町として栄え、街並みに歴史の面影が残る長野県上田市の市街地に、夫婦のための住宅を計画した。

幹線道路から一歩入った住宅地の角地の敷地に対して、角度を振って建物を配置することで、敷地の四隅に三角形の余白空間を生み出した。
北側の道路に面した2つの余白は駐車スペースとして、南側の日当たりのよい2つの余白は光を室内に取り込む明るい庭とした。

建物内部では、針葉樹合板の型枠で打設されたコンクリートの荒々しい壁面と、温かみのある木材の家具や建具が、木目という共通の言語を纏いながら質感の異なる素材が共存することで、空間内部に対比と調和をつくりだした。

家具に使用した神代タモ材は、倒木の埋れ木として長い年月をかけて地中で炭化したもので、その深い灰褐色の木肌を通して、時間の経過という価値を空間に埋め込んだ。

キッチンを中心としたこのコンクリートの住処は、2人の生活とともにこれからも年月を重ねながら成熟していく。